弘前れんが倉庫美術館の内部公開
2020.03.11

工事が終了した弘前れんが倉庫美術館の内部を見て回る桜田市長(左)ら
青森県弘前市吉野町の吉野町煉瓦(れんが)倉庫を改修し4月11日に開館する「弘前れんが倉庫美術館」の内部が10日、報道陣に公開された。100年前に建てられた煉瓦倉庫の趣を残しながら、展示室やスタジオなどを備えた新たな施設に生まれ変わった。
同美術館の工事は2018年5月に始まり、今年2月で終了。建築設計は建築家・田根剛さんが手掛けた。耐震性能を高めながら、鉄骨などは残し、使わなくなった天井材を扉や台座として再利用するなど、残せるものは可能な限り残した。
今月3日には、工事のため一時外部で保管されていた同市出身の美術家・奈良美智さんの立体作品「AtoZメモリアルドッグ」が再搬入されるなど、開館に向けた準備が着々と進んでいる。11日以降には、開館記念展展示作家8人の作品を順次搬入する。
10日は桜田宏市長らが訪れ、1階奥の高さ最大15メートルの吹き抜け空間などの展示室や市民ギャラリー、鏡張りのスタジオなどを見て回った。
桜田市長は内覧後、「(煉瓦倉庫の)風合いが残っていることが印象的だった。全国、世界の人はもちろんのこと、地元の人に何度も足を運んでもらいたい」と語った。
▼敷地内にシードル工房

弘前れんが倉庫美術館(右の建物)に隣接するシードル工房
青森駅前の商業施設「A-FACTORY」などを運営するJR東日本青森商業開発(富田勝己社長)は10日、4月11日の「弘前れんが倉庫美術館」(弘前市吉野町)開館に合わせ、美術館敷地内に「A-FACTORY 弘前吉野町シードル工房」をオープンすると発表した。A-FACTORYのノウハウを生かし、日本のシードル発祥の地で新たなシードルづくりに取り組む。
美術館となる煉瓦(れんが)倉庫は、日本で初めてシードルを本格的に生産した場所。A-FACTORYでは、2010年からシードル生産を始め、海外の品評会で入賞するなどしている。弘前の工房では、タンク内二次発酵、瓶内二次発酵の本格的な製法で、リンゴ本来の味や香りを生かしたシードルを生産する。
20年度は7種類以上つくる予定で、ノンアルコールが5月、シードルは6月に発売予定。同社の担当者は「技術を生かし、リンゴにこだわった商品を作っていく」と話した。
(東奥日報社)