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人手不足 兼業者が救う/黒石・青荷温泉

2019.10.24

青荷温泉の兼業人材受け入れに応募し、客室で作業する沓掛さん=23日午前

 ランプの宿として知られる青荷温泉(青森県黒石市、原田篤久社長)は慢性的な人手不足対策の一環で、兼業マッチングサイト「ふるさと兼業」を初めて活用し、繁忙な紅葉時期の10~11月に県外の3人を受け入れて期間限定で働いてもらう取り組みを始めた。3人には今後、その経験を広く発信してもらい、同温泉の人材確保などに結びつけていく。

 同温泉は、黒石市中心部から約20キロ離れ、道路も険しい山道が続くこともあって、通勤に時間がかかり、地元人材の確保に苦労しているという。

 一方で、温泉は山中にあり携帯電話が通話圏外で、インターネットに接続する環境がないため、都会の人などが一時的にデジタル環境から離れる「デジタルデトックス」の場としての魅力もある。今回、青森市のNPO法人プラットフォームあおもり(米田大吉理事長)などの協力で、ふるさと兼業サイトで人材を募集。予定を上回る応募者から3人を選んだ。

 23日朝、同温泉2階客室では、板柳町出身でホテル勤務の沓掛(くつかけ)麻里子さん(37)=東京都大田区在住=が清掃などに励んでいた。国内旅行業務取扱管理者のほか温泉関係の資格も持つ沓掛さんは、温泉による県内観光振興という将来目標を見据え休暇を活用して21日から3泊4日の日程で参加。「電波が届いていないし、電気もほとんどないので、デジタルデトックスするには最高。温泉と豊かな自然が周りにあり、ゆっくりするには最適」と話した。原田社長は「(今回の参加者が)体験したことを広めてもらうことで、正社員として働く人が出てきてくれたらありがたい」と期待していた。

 3人には来年2月の厳寒期にも、同温泉で働いてもらう予定。

(東奥日報社)