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ねぶたの技がラグビーW杯盛り上げ

2019.09.10

三上さんの指導で制作したオブジェ。アーケードの天井からつるすスタイル=8月17日、大分市の「ガレリア竹町」(ひょうたん工房日田提供)

 ラグビーW杯日本大会が20日開幕するのを控え、会場の一つの大分県で、スクラムなどを表現した巨大オブジェがお目見えし大会盛り上げに一役買っている。これらのオブジェ、「ねぶた」の武者灯籠そっくり。福岡県在住で、五所川原立佞武多(たちねぷた)の復元に尽力した三上真輝さん(66)が制作団体を指導し、ねぶたの技法を生かしたものだという。三上さんは「青森の方々もこれを機に、ラグビー観戦に大分を訪れてみて」と呼び掛けている。

 オブジェ制作は、大分県別府市のNPO法人「BEPPU PROJECT」が県の委託で実施。同県内で、ねぶたを基にした祭り「府内戦紙(ふないぱっちん)」などの山車づくりに携わる複数の工芸団体に依頼した。観戦に訪れる外国人客に日本の祭り文化を伝えたいと、伝統的な武者絵や山車灯籠をイメージしたという。

 制作依頼を受けた団体の一つが、約3万基の竹灯籠を飾る日田市の祭り「千年あかり」で人形灯籠を制作している「ひょうたん工房日田」。制作者は自営業や銀行員ら一般市民で、地域おこしに熱心なボランティア団体だが、福岡県古賀市にランタン工房を構える三上さんと十数年前から交流を深め、ねぶた技術の指導を受けてきた。

 単なる竹灯籠から、今では芸術性の高い人型灯籠づくりの技を習得。九州各地のイベントで作品を展示しているほか、マンガ「進撃の巨人」の大型人形や、太宰府天満宮の楼門に掲げられた「飛龍天神ねぶた」の修復作業を請け負った実績もある。

 ひょうたん工房日田の中島広泰代表は「6月に依頼を受け制作時間がなかったが、これまでにない、天井からつり下げる形状に初めてチャレンジした」。フォワード3人がスクラムを組む様子を細部まで丁寧に表現し、目を見開いて見えを切る表情はねぶたそのもの。約1カ月の制作期間中は三上さんも出向いて助言したという。中島代表は「ねぶたのエッセンスを取り入れたことで迫力が増し、躍動感が出た」。8月中旬にできあがった人形は「評判も上々」と話す。

昨年、五所川原市で講演した時の三上さん

 縦4メートル、横4メートルのオブジェは大分市竹町商店街「ガレリア竹町」のアーケード内に天井からつり下げ、向き合うように2体設置している。このほか、府内戦紙の制作団体がつくったオブジェも大分駅前など3カ所に展示。W杯が終了する11月20日まで設置される。制作依頼したNPO法人の山出淳也代表理事は「実物を見てもらい、SNS(会員制交流サイト)で広く発信してほしい」とPRする。

 三上さんは「ねぶたの技法で日本の和を伝えられればと思う。ねぶたを縁に青森と大分の交流が深まればうれしい」と話している。

(東奥日報社)