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こけし工人・阿保さんが北欧の工芸展に

2019.05.07

カンパニーとのコラボで制作し、フィンランドで披露されるこけし

 全日本こけしコンクールで内閣総理大臣賞の受賞歴がある青森県黒石市の津軽系こけし工人・阿保六知秀(むちひで)さん(68)が、フィンランドで開かれる工芸展に招待された。11日の「日本デー」で、旧知の現地アーティストとのコラボレーション作品を出品するほか、こけし作りも実演する。北欧は日本と同様、木の文化が多様な地。阿保さんは「津軽系こけしの魅力をフィンランドの人に知ってもらいたい」と期待を膨らませる。

 工芸展は、同国を代表するデザインユニットCOMPANY(カンパニー)が主催する「シークレット・ユニバース」。カンパニーのヨハン・オリンさんとアーム・ソンさんは、2015年に県立美術館で開かれた企画展「PHASE(ファーゼ)2015 カンパニー ニッポン・北のヒミツ」で、東北の職人らとのコラボ作品を紹介。阿保さんとも、脚がこけしの木製スツール「こけし家族」を制作し、入場者から「ユニーク」と好評を得た。

カンパニーとのコラボで制作し、フィンランドで披露されるこけし

 今回の工芸展でも阿保さんは、2人のデザインを基にした新作こけし「ユニバーサル・スピリット」を出展。スタイリッシュなフォルムで、津軽弁で驚いた時に発する「おろ~」がぴったりの表情。阿保さんは「カンパニーの2人は私らの想像を超えるアイデアを編み出すので、いつも刺激を受ける」と笑う。

 阿保さんに同行する同美術館の高橋しげみ学芸主幹によると、フィンランドでもこけしへの関心が高まっているという。高橋さんは「伝統工芸を継承し木の文化を持つ同士が、国を超えた新たなダイナミズムや可能性を広げていくことに期待している」と話す。

 現地の木材を使ったこけし制作や、ワークショップも楽しみにしているという阿保さんは「熱い思いの2人に招かれてとても光栄。多様な世界観を否定せず、これまで考えもつかない創作のヒントを見つけてきたい」と意欲を見せる。

(東奥日報社)