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複合施設は16階建て 中三青森店再開発計画

2018.12.26

現時点での中三青森店一帯の再開発イメージ。商業施設兼集合住宅(右)と立体駐車場の整備が検討されている

 青森市新町で検討されている二つの再開発事業について、現時点の計画で、百貨店・中三青森店の一帯(新町1丁目地区)に整備する複合施設が16階建てであることが25日、関係者への取材で分かった。一方、建設資材の総合商社・角弘本社の一帯(中新町山手地区)に整備する2棟の複合施設は18階建てと13階建てとなる計画だ。両計画とも、来年1月にも再開発を進めるための新会社や準備組合を設立し、事業を本格始動させる予定だ。

 関係者によると、2事業とも、老朽化した小売店や飲食店を集約するとともにホテルや集合住宅を整備し、市中心部の新たなにぎわい創出を目指す。

 今後変更の可能性もあるものの、現時点の計画では中三青森店の建て替えで整備する16階建ての複合施設は、地上1~3階を商業施設、4階以上を集合住宅(約90戸)とする方向だ。隣接する立体駐車場も建て替えて約280台収容できるようにする。再開発の事務局は中三となり、2019年1月に新事業会社を設立する予定。同年6~12月に実施設計を行い、20年6月着工、22年完成を目指す。

 中三の広報担当者は25日の取材に対し「近々発表する機会を設けたい」と述べるにとどめ、事業の詳細を明らかにしなかった。

角弘一帯に整備する計画の2棟の複合施設と駐車場の断面図

 一方、再開発を検討している中新町山手街区まちづくり協議会の野澤正樹会長は、角弘一帯の再開発について東奥日報紙取材に応じた。

 野澤会長によると、現時点の計画では2棟の複合施設のうち、青森駅方面側の「ウエスト棟」は13階建てで、1~3階に店舗や事務所、4階以上にはホテルを入れる。柳町通り方面側の「センター棟」は18階建てで、1~2階に店舗、3階以上に集合住宅(約80戸)を整備する。19年1月に再開発のための準備組合を設立する予定で、同年9月には再開発組合を設立して実施設計に入り、20年11月着工、23年完成を目指す。2棟の複合施設にはタワー式駐車場もそれぞれ整備する予定。

 角弘一帯で再開発する街区には現在、サービス業や飲食店、小売店、ホテルなどがあり、地権者は11人となっている。野澤会長は「12年から協議会で勉強会を重ねてきた。青森駅からつながる新町通りなので、特に施設の1階部分は商業にこだわった。回遊性を持たせ、駅前からのにぎわいが途切れないようにしたい」と述べた。

 市は25日までに各事業者から再開発について報告を受けたという。小野寺晃彦市長は「青森市のまちづくりにとって、民間企業の投資が増えることは大いに歓迎する」と話した。

(東奥日報社)